2012年5月30日水曜日

『Mother tree』



雄熊は繁殖行動はすれど、育児には参加しない。
よって、母と仔の結びつきはとても強い。
 どこに行けばどんな食べ物が手に入るのか、
どこが安全な場所なのか、冬眠する時はどうするのかなど、
仔は生きる術を母から学ぶ。

幾多の爪痕がついたこの木を見ると、
ついこんな根拠のない想像をしてしまう。
この爪痕の持ち主たちは、母系の家族ではないのかと。
母から教わったこの木の在り方を自分が母になった時にまた仔に伝える。
そんな事が繰り返されて、この木には無数の爪痕がついた。
この一本の朴の木には、あるクマの一家の歴史が刻まれている。
もしそうなのだとしたら、なんと面白い木なのだろう。

樹皮の模様に見えるが、全てツキノワグマの爪痕


今年もクマは来ていた。






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